
「趣味で本格的に始めようと思い切って購入したのですが、やはり生のアコーディオンの重厚感とはまた違う楽しみ方があり、結局数回触っただけで飾る状態になってしまって。難波の楽器店も巡りましたが、希少な電子モデルを正当に評価してくれる場所にお願いしたいと、当店を訪ねてくださいました」。そう仰るお客様の手元には、大切に保護された専用のハードケースがありました。アコーディオンの名門として知られるトンボ楽器が、デジタル技術を融合させて生み出した野心作を前に、私も専門の知識をフルに活用して真摯に向き合いました。
今回お預かりしたのは、トンボ楽器の電子アコーディオン『ACCORDIX(アコーディックス)A-120』です。このモデルの最大の特徴は、アコーディオン本来の蛇腹(ベローズ)による表情豊かな表現力を保ちつつ、多彩な音色をデジタルでコントロールできる点にあります。120ベースというフルサイズ仕様でありながら、電子楽器ならではの利点としてヘッドホンでの練習が可能。さらにMIDI対応により外部音源やDTMとの連携も行えるため、ライブパフォーマンスから制作まで幅広く活躍します。トンボ特有の配列やボタンのタッチ感はそのままに、次世代の演奏スタイルを提案する、中古市場でもなかなかお目にかかれない珍しい逸品です。
査定における重要なポイントは、蛇腹の「センサー感度」と「スイッチ類のレスポンス」の確認です。電子アコーディオンは、空気の圧力を電気信号に変える精密なセンサーが命。実際に電源を入れ、蛇腹を動かしながら音の強弱がスムーズに反映されるか、全鍵盤・ボタンにおいて音切れや誤作動がないかを徹底してチェックいたしました。今回のお品物は、使用頻度が極めて低かったこともあり、外観のベタつきや傷がないのはもちろん、内部のシステムも非常に安定していました。希少な国産電子アコーディオンという市場価値と、新品同様の動作コンディションを最大限に考慮し、当店としての最高額を算出させていただきました。
こうした電子楽器や蛇腹楽器を所有されている皆様に、よくお伝えしている注意点が「バッテリーや液漏れ、そして端子の酸化」です。長期間使用しない場合、乾電池を入れたままにすると液漏れが発生し、基板を修復不能なまでに腐食させてしまうことがあります。また、背面の接続端子部分に埃が溜まるとノイズの原因にもなるため、保管時は専用ケースに入れ、湿気の少ない場所に置くことが重要です。アコーディオンは精密機械としての側面と、楽器としての繊細なバランスの両方を兼ね備えているため、定期的に通電し、各ボタンを動かしてあげることが、将来的な査定額を維持する最大のポイントとなります。
提示した査定額を確認されたお客様は、「特殊な楽器なので価値が伝わるか不安でしたが、ここまで細かく見ていただけて安心しました。これなら新しい楽器の購入資金に充てられます!」と、晴れやかな笑顔で承諾してくださいました。私たちは、定番のギターやピアノだけでなく、アコーディオンのような専門性の高い楽器に対しても、そのメーカーの歴史や技術的な価値を深く理解した鑑定を行っています。難波の街で、大切にしてきた楽器の「次への橋渡し」をお考えなら、ぜひ一度私にご相談ください。一本のリード、一つのセンサーに宿る価値を逃さず査定いたします。

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