
「アンプを通さなくてもリバーブがかかる魔法のような響きに一目惚れして買ったのですが、最近は別のギターばかり弾くようになってしまって。この楽器の真価を発揮させてくれる人の手に渡ってほしいんです」。難波の店舗へご来店されたお客様は、名残惜しそうに、けれど次の方へ繋ぐ期待を込めて、専用のギグバッグを差し出されました。室内の乾燥にも気を配りながら大切に保管されていたというその言葉通り、ケースを開けた瞬間に、質の高い木材の香りと共に美しいサンバーストの光沢が目に飛び込んできました。今回お預かりした『ヤマハ LL-TA』は、ギター内部にアクチュエーター(振動体)を搭載することで、アンプやエフェクターに繋がずとも生音にリバーブやコーラスを付加できる「トランスアコースティック」技術を搭載した画期的なモデルです。ベースとなっているのは、ヤマハ伝統の「Lシリーズ」のボディシェイプ。厳選されたイングルマンスプルース単板のトップ材には、長年弾き込まれたような豊かな鳴りを生み出す「A.R.E.処理」が施されています。生音の美しさと最新テクノロジーが融合したこのモデルは、リビングでの演奏からステージまで幅広く対応するため、中古市場でも常に品薄状態が続く非常に人気の高い一本です。鑑定において私が最も神経を研ぎ澄ませたのは、トランスアコースティック機能の心臓部である電装系の動作確認と、ネックのコンディションです。電池ボックス内の腐食がないか、ノブを回した際にガリ(ノイズ)が発生しないかを厳密にチェックしました。また、アコースティックギターの命であるネックの状態については、弦高が理想的な数値に保たれているか、トラスロッドに十分な調整幅が残っているかをミリ単位で確認。今回のお品物は、木材の歪みが一切なく、電気系統も新品同様のレスポンスを維持していたため、プレイヤー目線での「演奏性の高さ」を最大限に評価し、最高額を算出いたしました。エレアコを愛用される方によくお伝えしているのが、保管時の電池の取り扱いです。長期間演奏しない場合は、必ず電池を抜いておくことを推奨しています。電池が液漏れを起こすと、TA(トランスアコースティック)ユニットの基板を破壊してしまい、修理不能になるリスクがあるからです。また、ギターをスタンドに立てっぱなしにする際は、ゴムパーツによるラッカー塗装への変色(ゴム焼け)にも注意が必要です。こうした日常の細かな配慮が、最終的に数万円単位の査定額の差となって現れます。最終的な金額をお伝えした際、お客様が「自分の手入れが間違いじゃなかったと証明されたようで嬉しいです」と、晴れやかな表情でご快諾くださったのが非常に印象的でした。私たちは単に楽器の価格を付けるだけでなく、そのギターが持つ最先端の技術や、オーナー様が注いだ愛情を正当に評価することを使命としています。難波の街で、かつてのメインギターや眠っている機材がございましたら、ぜひ一度拝見させてください。楽器のポテンシャルをプロの目で見極め、納得いただける価値を誠実に提示させていただきます。

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